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「パーマネント野ばら」



「パーマネント野ばら」

 西原理恵子著

 








まず、女の匂いがぷんぷんする、この表紙がいい。
単行本の切ない表情の方も捨てがたいけど、文庫本はもっといい。
ピンク!に、むんむんしたタイトル文字と控えめなばらのイラスト、そして手を引かれて歩く女性。
男性に黙ってついて行く楚々とした感じ。
履物が便所スリッパみたいなつっかけなところが、哀愁を誘うねー。

パーマネント野ばらは、とある田舎の村に唯一ある美容室、というかパーマ屋さん。
村じゅうのおばちゃんやおばあちゃんが、パーマをあてたり激しいカラーに染めたりと女の魅力かなんかようわからんことをしながら、やれ旦那が浮気しているとか、これが恋やわーとか言ってダベっているような、そんなところです。
そのパーマネント野ばらの娘なおこが、この表紙の女性です。

「好きやずっとは どこにもないから 私はまいにち うそをつく。ラストは涙が止まりません。」
これ、文庫本の帯のコメント。
西原さんやし、そんなメロメロな少女漫画の世界やとはこっちも思ってへんけど、でも「涙が止まりません」なんか言われたらもう、純情な感じやと思いませんか?

ほな初っぱなから下ネタ的キーワード連発。
イヤーンと思いながら読み進めていくと、下ネタ的キーワードはさらに加速。
そして、実写化したらえげつない絵になるやろなぁと思わしきおばちゃんおばあちゃん続出。
さらに死にかけのおじいちゃんと、血の海(おじいちゃんのものかは秘密☆)追加。
激しすぎます。

金髪のスナックのママとか、紫髪のおばあちゃんとか、普通の人かと見せかけといてある意味期待を裏切らないおねえちゃんとか。
野ばらの客や、なおこの友達にもみくちゃにされつつ、あれ、気がついたら泣いてるんですけど、うち!

そして素敵なことを思い出しました。
恋って素敵!
感謝感謝。
日本中の女性にこの本を捧げたいです。
by sabazaki-jaco | 2009-03-05 22:53 | ほん