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「平成大家族」



「平成大家族」

 中島京子著

 ○○









息子が赤点をとってお母さんに怒られ、娘はおばあちゃんのお手伝い、お父さんは酔っぱらって機嫌良く帰ってきて、こども達がお出迎えー・・
タイトルにも「大家族」ってあるくらいやし、サザエさんみたいな一家のどたばた劇場みたいなもんかと思ってました。
いや、確かにどたばた。
でも、現代風どたばた。
だって、「平成」ですもんね。

長女の夫は元会社経営者、しかし倒産して出戻り。進学校に通っていた二人の息子も止むを得ず地元の公立中学に転校して、いじめに遭わないように気を配りすぎて引きこもり。
次女は結婚して大阪で暮らしていたが、夫の沖縄転勤を機会に離婚、そして浮気相手の若手芸人との子供を妊娠して出戻り。
父は歯科クリニックを定年退職後、書斎で義歯を作ったりご近所さんと碁を打ったりとゆったり暮らしているが、家に残っている長男ぐうたらぶりが目についてイライラ、爆発寸前。
母は年老いてちょっとぼけ気味の祖母のお世話に忙しい。

会社倒産、いじめ、引きこもり、離婚そしてシングルマザー、ニート、老人介護・・。
どたばたしてますが、近年のキーワードばっかりじゃないですか。
ちょっとがんばって詰め込み過ぎやないかなーとも思いますが、語り手が入れ替わりながら進んでいくので、ごちゃごちゃすることなく読めました。

特にお気に入りなのが、ぼけ気味の祖母タケの章、「時をかける老婆」
なんちゅうタイトルや、と笑ってまいますが。
ぼけてしまったら、どんなことを考えているのかなんて想像できないしわかるわけもないんですが、ぼけたおばあちゃんの心理描写がすごいんです。
突飛押しもないこと言いだす、あの感じ。
「おばあちゃん、またわけわからんこと言うてるわー」とうちらは思っていたのも、何か真剣に考えてたんやろなぁ。
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by sabazaki-jaco | 2008-11-19 22:18 | ほん
「悶絶スパイラル」



「悶絶スパイラル」

 三浦しをん著

 









三浦しをんと言えば、「風が強く吹いている」が、うちが今まで読んだ小説おもしろかったランキング第2位にみごとランクインしております。
「風が強く吹いている」、めっちゃおもしろいので是非!!
ちなみに一位は、西加奈子「きいろいゾウ」です!!こちらも是非是非!!

表紙のかわいらしい絵ですが、漫画家の雁須磨子さんのイラストだそうです。
ごめんなさい知らないのですが、少女漫画描かれる方なんやろか?
これまでのしをんさんのエッセイの表紙も、色んな漫画家さんが描いてらっしゃるみたいです。
しをんさん漫画好きやし、こうやって憧れの漫画家さんとコラボレーションみたいなことできるって、やっぱりすごい。
うちも有名になったら、蒼井優に会ったりできるんだろうか。
ええなぁ。

ところでうちは、エッセイというものがそもそもあんまし好きではありません。
自分大大大好きな性格なので、人の楽しかったことやおもしろかったことに正直あまり興味が持てません。(今“持てません”を変換しようとしたら、“モテません”と出てきました。やかましわい!!)
なのでこの本を読むのもめっちゃ時間かかりました。
3分の1読むのに3日かかった。

ところが、残りの3分の2読むのには1日もかかりませんでした。
だってめっちゃ笑えるねんもん!

激しい妄想癖と、とてもきれいとは言えないお部屋、食べているシーンじゃなくて食べ物について思いを巡らせているシーン等。
実にあつかましい話ですが、なんかうちとの共通点がちらほら・・・
自分とあまりにもかけはなれた暮らしをしている人のエッセイは、理解できひんすぎてしんどいのかもしれません。
ちなみに西加奈子のエッセイ「ミッキーかしまし」もめっちゃおもろいです。(うち西加奈子好きなので、ちらちらとアピっています。失礼。)

んでしをんさんの家族がまた、みなさんぶっとんでいておもしろいんですよ。
特に弟さん。
弟さんは、自分のことがこうやって本になって、仰山の人に読まれて笑われていることについてどう思ってはるんやろう。

うちには妹がおるんですが、もしうちの妹が小説家になってエッセイを書くことになって、うちのことを「また何か食べてる」とか「さっきパン食べてたのにポテトチップスを食べてる」とか「パンとポテトチップス食べてたのにごはんおかわりしてる」とか「あんなに食べたのに今プリン食べてる」とか、そんなわけわからんことを書かれてしまったらどうしよう。
無駄に有名になってしまう。
そんな有名になるなり方でも、蒼井優に会えるならそれでもいい!
がんばれ、うちの妹!!
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by sabazaki-jaco | 2008-11-12 23:02 | ほん
「初恋素描帖」



「初恋素描帖」

 豊島ミホ著

 










戸村飯店、一瞬の風になれに続く青春第三弾は、“初恋”です!

さてこの「初恋素描帖」、10月号のダヴィンチに特集が組まれていて、そこに「実人生の思い出を元ネタに小説を書く」と書いてありました。
豊島さん、82年生まれとのこと。
うちは83年生まれなので同年代。
つまりこの本は、うちが中学生の頃のお話ってことみたいです。

本を開くと、目次の代わりに2年2組のクラス名簿が。
出席番号、名前、部活が書かれております。
これだけでちょっとワクワクできます。
全20話、クラスメート20人分の初恋。
20人て、そんなにみんな恋してんの?!
照れるわ中学生!

ほんまちょっとしたことで誰かを好きになってみたり、授業中ずっと見ていたり、勢いで告白してみたり、そうそう、中学校ってそういうことをするところやねやった!
中学校で誰かに告白(そもそも、告白って言葉自体なんか恥ずかしいわ)したような思い出なんかないけれども、「そうそう、そんな感じ〜」と思わせてくれる、そんな一冊でした。
一番自由に恋できる時代かもしれないですね、中学生って。

そしてもう一つ、この本の魅力的ポイント!
20人全員、イラストがついてるんですよ!
しかも、「ソラニン」とか「素晴らしい世界」とか書いてる浅野いにおのイラスト!
お話読んでからそれぞれをイメージして絵描いたんかなー。
浅野いにおが好きな人は、この20人に完璧にマッチしたイラストを拝むためにも是非読んでほしいです。

話は変わって豊島さん、ダヴィンチ11月号の穂村弘の「短歌ください」のコーナーで、西加奈子と山崎ナオコーラと一緒にスペシャル歌会ってことで短歌を詠んではるのですが・・
すごくええんですよー、豊島さんの歌!
ひとつ紹介しちゃっていいかしら、勝手に。

 別に好きじゃないけど夢でただ一度味がしたのはコロッケだった

この歌を読んで豊島さんの本を読んでみようと思い、ちょうどダヴィンチに広告が載っていた「初恋素描帖」に手を出してみたのでした。
なんか最後の方ダヴィンチの宣伝みたいになってますが、ありがとうダヴィンチ。
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by sabazaki-jaco | 2008-11-08 21:44 | ほん
「聖☆おにいさん」



「聖☆おにいさん」

 中村光著

 









分類するならば、ギャグマンガに振り分けられるこのマンガ。
ギャグマンガと言ってもガツガツしていなくて、なんだか知的な笑いです。

昔うちが中学生の頃。
技術の授業で木で棚かなんかを作っているとき、友達が「キリどこにあんのー?」って探していたらクラスの男の子が「イギリス。」って答えていました。
そんな感じの知的さ。
(イギリスは霧がよく出ることで有名です。)

さて、ようわからん懐かしの思い出小話は置いといて・・

出てくるのは聖なるおにいさん二名、ブッダとイエス。
ね、もうこの時点ですごいでしょ!
無駄遣いは許せません節約大好きブッダと、毎日ブログを更新自称ジョニーデップ似のイエス。
そんな二人は、東京の立川でアパートをシェアして下界での休暇を満喫中。
なんのこっちゃわけわからんでしょ?!

しかしあくまでブッダはブッダ、イエスはイエスなのです。
ブッダの誕生の話とか、イエスは石をパンに水を葡萄酒に変える話とか、うちあんまりちゃんと世界史とか勉強しんかったからわからんのやが、そういう背景を踏まえた上でのギャグマンガです。
勉強しとったらもっと理解できるのやと思うのですが。
ま、わからんくてもめっちゃおもろいです。
ていうか勉強になります(笑)
ブッダはしっかりしていて優しそうやし、イエスはかっこよくておちゃめな感じ。
二人ともええ味出してはるー!

どうでもいいですが、これ買うまで、“聖”の部分を“ひじり”と読んでいました。
セイント☆おにいさん、です。
ひじりおにいさんて・・。
なんで無駄に難しい読みしてたんやろ。
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by sabazaki-jaco | 2008-11-07 21:42 | ほん
「一瞬の風になれ」



「一瞬の風になれ(1〜3)」

 佐藤多佳子著

 









今更ながら、やっと読みました。
2007年度本屋大賞受賞。
そらそうやわな!めっちゃおもしろかったもん!

もう有名な本すぎて、ドラマ化とかもされてたみたいやし、今更うちの拙い文章で内容を説明する必要もないと思いますが・・
走ります!
何回も走ります!
ビュンビュン走ります!

佐藤多佳子さんは「黄色い目の魚」を読んだときにも思ったのですが、上手やなーって。
うちは高校の体育の成績もペーペーやったし、陸上なんてもう全く未知の世界です。
全力で走ったら、足もつれます。
多分全力で走らんでももつれます。
そんなうちでさえも、感じることができました。

トラックを踏みしめる感触を!
手に握ったバトンを!
隣を走るライバルの威圧感を!
ぐんぐん近づくゴールのラインを!
そして風を!

熱く語ってしまった!
織田裕二みたいなナレーションになってしまいましたね。
反省反省ー。
前回が「戸村飯店青春100連発」で、今回も青春さわやか小説で、んで今読んでいるのもズバリな青春恋愛小説です。
どんだけ青春を求めているんや、うちは。

でももしまだ読んでない人がいたら、是非読んでみてください!
イチニツイテ、ヨーイ、ドン。
三冊ありますが、風のごとく読めると思いますので。
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by sabazaki-jaco | 2008-11-05 21:43 | ほん
「戸村飯店青春100連発」



「戸村飯店青春100連発」

 瀬尾まいこ著

 









読み終わったあと、瀬尾さんのプロフィールを見て納得。
やっぱり。
大阪の人でしたか!

大阪の住之江にある中華料理屋、戸村飯店。
そこの息子二人、兄ヘイスケと弟コウスケによる、青春真っ盛りの一年間。
青春100連発のうち、弟コウスケが85発くらい放ちまくっていますが。
ええですね。
高校の行事ってのはね、ほんま、まさに青春やと思います。

青春もええですが、大阪がまたええ感じに描かれているんです。
人情あふれまくりでコッテコテ!
戸村飯店にラーメンとかチャーハンとか食べにくるおっさんらの会話が、ほんまに近所の中華料理屋さんでも聞けそうなくらいリアル。
素の大阪弁です。
やから瀬尾さんのプロフィール見て納得。
大阪出身じゃなかったら、こんなにちゃんとした大阪弁で会話書けるわけないもんな。

ヘイスケとコウスケの会話で、めっちゃ好きな会話があるので、抜粋します。

「兄貴は昔から器用やったもんな」
「どこがやねん。料理なんかしたことなかったやん」
「そやけど、なんか小学生のころから器用そうな顔してたやん」

感服。
戸村飯店大阪弁100連発!
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by sabazaki-jaco | 2008-10-27 21:42 | ほん
「ハル、ハル、ハル」



「ハル、ハル、ハル」

 古川日出男著

 ○○








採点、3点としていますが、3.5点ってことで。

古川日出男作品、うちが読んだのはこれで3冊目。
前には「アビシニアン」と「LOVE」を読んでおります。
「ハル、ハル、ハル」読み終わって、前の2冊のほうがよかったなーと思ったのですが、その理由、自分でちゃんとわかっています。

猫です。

それだけです!
まぁそんな贔屓目な事情は置いておいて。

まず「ハル、ハル、ハル」
3人のハルそれぞれの、人生が進む時間の流れの一部分を切り取っていて、つまりこのお話よりも前にも時間があり、後にも時間は続く。
難しいなー、言いたいことを伝えるのって。
例えばビデオカメラをある地点に固定し、回し続ける。
そこに映った一台の車、画面右から左(あるいはその逆)に走り抜ける数秒間しか、カメラには映らない。
しかしその車は、北海道から出発し、鹿児島に向かって現在も走り続けているかもしれない。
そういった前後のことまで想像できる小説なのです、「ハル、ハル、ハル」は。

そして極めて特殊な事情を抱えた人たちが、世の中なんか知るかアホー!って叫びまくっております。
相変わらずすてき。すき。
登場人物全員、孤高の騎士。

「ハル、ハル、ハル」の他、「スローモーション」と「8ドッグズ」も収録。
「8ドッグズ」がまたかっこいいんですよ。
8ドッグズ、8犬、八犬伝。
八犬伝って勝手に時代小説やと思い込んでおりました。
だって「南総里見八犬伝」やん?
里見といえば里見浩太朗。黄門様やん!
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by sabazaki-jaco | 2008-10-23 21:41 | ほん
「論理と感性は相反しない」



「論理と感性は相反しない」

 山崎ナオコーラ著

 








ナオコーラは、以前「人のセックスを笑うな」を読んで、タイトル激しい割に内容普通!と思ってからしばらくほったらかしにしておりました。
が、久しぶりに手に取る。
まずタイトルと装丁がいいね!

この本、帯で『女と男は一緒に暮らせる きらきら同棲小説』と乙女チックなことを謳っておりますが・・・どうなんこの帯。

会社員の神田川歩美と小説家の矢野マユミズ。
この二人を中心に、訳のわからんいろんなもんがごちゃごちゃ侵入してきながらの短編15編。
『同棲』というキーワードに関わってくるのは神田川の方であり、それはなかなか素敵な同棲っぷりを見せてくれたとは思うけど・・・
それよりもうちは、矢野マユミズの小説家生活の方ばかりに目を向けてしまいがちでした。

まずその名前。
本名はマユミやのに、マユミズ。
まるでナオコーラみたいやないですか。
あとがきで、ナオコーラは『ほぼフィクション』と語っておりましたが、まるで自叙伝?
いや、うちは山崎ナオコーラという人間を知らないから何もわからんけども、ええ機会やからと仕事のことも恋愛のことも言いたいこと言うてまえー!って感じがしたのです。
嫌な感じはしません。
がんばれナオコーラ!って思いました(笑)

さて、先にも書きましたが、二人の話の他にも、訳のわからんいろんなもんがごちゃごちゃ侵入してきておりまして、そのごちゃごちゃがえらいおもしろいです。
その一つが、埼玉。
もちろん埼玉県の、埼玉ね。
埼玉への愛を感じました。
小説家は、このようにして自分の愛するものに愛情を表現する場を持つことができるのか。
なんてかっこいい。
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by sabazaki-jaco | 2008-10-22 22:34 | ほん