「黄色い本」



「黄色い本」

 高野文子著

 









先日読んだ「電化製品列伝」の中に出てきた高野文子さんが気になって仕方なかったので、とりあえずうちにあった「黄色い本」を読み直してみました。
ほんまは「棒がいっぽん」を読みたかったのですが。

高校生のころ、冬野さほさんの漫画が大好きでして(今も好きですが・・)、冬野さんの「CLOUDY WEDNESDAY」という漫画を高野さんがカバーしたものがあるという情報を知ったもので、それで買ったのがこの「黄色い本」です。
冬野さんのかわいいかわいい絵柄とは違い、高野さんのはシャシャッと書いたような絵柄で、内容もむつかしめで当時のうちにはよくわからんかったんで、そのまま本棚に入れっぱなしでした。

あの頃はきっとまだ若かったんやと思います。
この良さがわからんかったなんて。

「黄色い本」は、田舎の女子高生田家実地子が、学校でも家でも、「チボー家の人々」に没頭して読みふけっている様子を描いた作品。
就職のこととか家のこととか邪魔が入りながらも、ただただ本を読みたい!
その気持ちがずんずん前に表れ、本の中の人物が表れたり会話したり、現実の世界とごっちゃになっていておもしろい。

内容もかっこよかったけど、絵について。
まぁこれは長嶋さんが「電化製品列伝」で書いてはったんですが、『空間や時間の臨場感』の表現が素敵です。
隣同士の二コマほぼ同じ構図で、一コマ目はお母さんと女の子がバイバーイと手を振っていて、二コマ目は女の子は手を振っているけどお母さんはクシュンとくしゃみをしている。
二コマ目、いる?と思ってまいそうやけど、絶対にいる!
時間の経過や人間の動きの操作が絶妙なんですね。

あと、カメラアングルも。
真上から覗き込んだり、見上げる構図で迫力満点やったり、どアップやったり。
上手やないとこんな難しいアングルから描けませんもんね。
すごい観察力。
スクリーントーンも三種類くらいしか使ってないみたいやし、ほんとサササーと描いているだけに見えるのに・・・すごい。
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by sabazaki-jaco | 2009-01-20 23:46 | ほん