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「イン・ザ・プール」



「イン・ザ・プール」

 奥田英朗著

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プール中毒、持続勃起症、ストーカー被害妄想、携帯電話依存、確認脅迫神経症。
変な病気を抱えた彼らが訪れた伊良部総合病院、そこの精神科医伊良部一郎はえらく変人であった。
伊良部医師のわけわからんくて滅茶苦茶な言動に振り回されながら、患者たちの治療?は進む。

何かで誰かが「すごく笑える!」と評価していたので気になっておりました。
表紙がまた不思議な雰囲気をかもし出していて、やっぱり気になっておりました。
それでやっと読んだんですが・・・。
ん?意外とおもしろくない。
これが最初の感想。
いや、「意外と」を前に持ってきたにしても、「おもしろくない」というのは語弊があるかもしれないですね。
笑いを理解できない。
アメリカンジョークを聞かされて、「な?超うけるだろ?」と言われた感じ。

いや、うちは否定しているのではないのです。
さっき書いたでしょう、「最初の感想」と。

伊良部は、太っていて、相当なマザコンで、他人の目など一切気にしない性格で、自己中心的で、ほんでもって無駄に金持ち。
ごめんやけど嫌なタイプやよねー。
しかもアクション俳優のオーディションを堂々と受けたりするからまたすごい。
もうツッコミどころ満載!

しかし読み進めるうちに、そんな伊良部がかわいく見えてきたりするんです。
うちは全5話中、4話目で彼を受け入れました。
ちょっと遅め。
治療とも呼んでええんかもわからんような滅茶苦茶なことばっかりやりながらも、最終的には解決する、そしてうちは伊良部を信頼する。
そんな流れで伊良部にはまっていくのやと、そう解釈しました。
というかそうとでも自分に言い聞かせないと、伊良部を受け入れてしまった自分が悲しい。
そのくらい伊良部は変人やから。

「空中ブランコ」という続編があるとの噂なんで、なんやかんやでうちもきっと読んでまうのやろうと思います。
こうやって皆「伊良部中毒症」となり、伊良部医師のもとに通うようです。
by sabazaki-jaco | 2008-12-15 22:28 | ほん