「人間小唄」



「人間小唄」

 町田康著

 









作家界に短歌ブームの波が来ているんやないかと思われる、今日この頃。
町田康作、短歌を題材にした、(いつも通り)頭おかしい物語です。

とある作家のもとに送られてきた一通の手紙、中には短歌が書き綴られていた。
その短歌を勝手に引用しまっくって書き上げた小説が大ブレイクし、作家の糺田はほくほく。
短歌を送りつけた小角は怒り、未無という女子と共に、復讐を開始する。
糺田を監禁し、「短歌を作る」「ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする」「暗殺」の中から一つを達成すれば良い、ということであるが・・

町田康の頭ん中はほんま、どうなってるんでしょうね。
虫が湧いてる、なんてもんやない気がする。
でも猫飼ってるからええ人です。
さて、なんやねんこれーと思った文章を抜き出してみました。

“こいつを潰すのは俺の使命。俺の勇気。そして希望。青雲。ラララ、君が見た光。”
わからんことはないけど、この繋がり方、普通はそういかないですよね、ていうか小説に書かないですよねこれ。
“「・・インスタントラーメンと本格的なラーメンは違うでしょ」「原理的には同じことだよ。・・人間と猿ほどにも違わない。・・京都人と大阪人ほどにも違わない。せいぜい庄内の奴と園田の奴ほどの違いだよ。」”
なんやこの、ごく一部の地域の人間にしかわからん例えは、地名のセレクトがマニアックすぎます。
とかツッコミ入れつつ、こういうのが嬉しくてたまらんのです、町田康ファンとしましては。

糺田も、小角も、未無も、名前なんて読むのかもわからんような変人ばっかなんやけど、憎まれへんのですよね。
拉致監禁してるし、犯罪的行為やりまくってんのに、かわいいって思ってしまうのはなんでなんでしょうか。
発言がコミカルやからかなー。

そして短歌。
まぁ頭のおかしい登場人物が作った、素人がざっくり作った短歌ってことなんですが、しかし町田康の素敵さがにじみ出てにじみ出てしゃーないです。
自分で書いて、自分でぼろくそにけなす。

ってうち、小説の中の登場人物が詠んだ歌やっていうのに、町田康を意識しすぎですね。
どうしても意識しちゃうんやもの町田康、男前。
そんで正直な話、短歌ってごく一部の内容でしかないんですけどね。
どうしても意識しちゃうんやもの短歌、ええし。

NHK短歌にも出てはったし、これを機会に思い切って歌集とか作っちゃってください、是非。
町田康歌集、想像しただけでよだれ出そう。
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by sabazaki-jaco | 2010-11-07 02:38 | ほん