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「笑う招き猫」



「笑う招き猫」

 山本幸久著

 









『アカコとヒトミ』は駆け出しの漫才コンビ、まるまる太ったアカコ(ボケ担当)と身長180センチののっぽのヒトミ(ツッコミ担当)
小さな劇場でネタをして、いつか大きな舞台に立つことを二人で夢見ている。
テレビ番組に出演のチャンスがやってきて、ファンもちらほらつき始めて・・『アカコとヒトミ』は夢への第一歩を踏み出した。

漫才を小説化って無理やろ−、漫才のネタを文章化して読んでもそれはおもんないやろー、と思っておりましたが、これはおもしろかったです。
アカコとヒトミが仲がいいのが、まずいい。
アカコのあんまり何も考えていないみたいに自由気ままに行動する性格もいいし、ヒトミの真面目でまっすぐで心配性なところもいい。
コンビは絶対仲いい方がおもしろいもんなー、実際テレビとかで見てても。
キャイ〜ンの仲良さとか、もうすてき!

この小説は、大きく分けて二部に分けられると思うんやけど、前半は「夢に向かって」、後半は「みんなを幸せに」とかいうサブタイトルつける感じでしょうか。
ひたすらおもしろい漫才目指して突っ走る前半、読者のこちらはひたすら応援、笑ってくれなくてもドンマイ!おもんない先輩に負けんなー!
後半、芸人仲間の乙さん、乙さんの娘のエリちゃん、エリちゃんが心配で心配でしょうがないアカコとその祖母の頼子、頼子の友人のメイクアップアーティストの白縫さん・・・
関係あるのかないのかわからん人たちが仰山集まって、みんなはアカコとヒトミを応援するし、二人も、例えばエリちゃんの面倒見たりしてみんなを助ける、その様子がほんと和やかですてきなのです。

うちは文庫で読んだので解説つき、その解説なんと、ラーメンズの片桐仁!ごうか!
解説を読んでわかったことなんですが、著者の山本幸久さんは、ラーメンズが漫画雑誌に連載をしていたときの担当の編集者やったそうなのです。
やからこの小説は、ラーメンズをモデルにして書かれているとか!(片桐さんの想像っぽいですが)
漫才好きの人やったらすぐにピンときちゃうと思いますが、小説の中にでてくるテレビ番組も、完全に爆笑オンエアバトルですしね。

ちなみにこの「笑う招き猫」で、小説すばる新人賞を取らはったとのこと。
もひとつちなみに、うちの好きなお笑い芸人は、野性爆弾です。DVDも持ってるよー(笑)
by sabazaki-jaco | 2010-04-14 01:09 | ほん