「犬のうなじ」



「犬のうなじ」

 野中ともそ著

 









2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件が起きたとき、ニューヨークで暮らしていた日本人の家族や恋人、あるいは仕事で、旅の途中で・・
衝撃の光景を目の当たりにした彼らの、人生の変化を温かく見守って描いた物語です。

テーマがテーマなんで、すごく重そうに思われるかもしれませんが、ごく普通の恋愛小説と思ってもらって大丈夫やと思います。
恋人に励まされて救われたり、夫婦支え合って乗り越えたとか。

著者の野中さんはニューヨーク在住だそうで、テロがあったときもニューヨークにいてはったんかどうかは知らんのですが、励まし合う人々の美しさを見て、これを残さないとと思ったんやないでしょうか。
恐ろしい事件の後のことを描いているのに、文章全体から前向きな気持ちが表れていて、後ろから風が吹いて背中を押してくれているようです。
大きな括りとしての恋愛を通して、人の温かさや強さを描いてはるんだと思います。

表紙の、二本のろうそくがワールドトレードセンターを表していて、ろうそくに祈りの気持ちが込められていて・・ってことなんですよね、きっと。
しかしなんで「犬のうなじ」を表題作に選んだんやろ。
や、ええ話なんですが、「犬のうなじ」っていうタイトルから、この本のイメージが掴みにくい気がするんですけども。
「銀河を、木の葉のボートで」の方が、きれいちゃいます?
とか言いつつ、「犬のうなじ」じゃなかったらうち手に取らんかったやろうし、終わりよければ全てよし!
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by sabazaki-jaco | 2010-03-17 03:05 | ほん