「TRIP TRAP」



「TRIP TRAP」

 金原ひとみ著

 









旅でぶっとぶ物語集。
短編に見せかけて、どれもマユという一人の女性が旅行をするお話です。
家出をして彼氏の部屋に潜り込む15歳のマユから始まり、女友達と沼津ナンパ待ち旅行、仕事でパリ、夫とハワイリゾート、4ヶ月の赤ちゃん連れで長時間フライト、育児に疲れて一人鎌倉。

うちは、特別派手でもなければ地味でもないごく普通の女子なもんで、金原さんの小説に出てくるような、派手目でキャンキャンしてる感じの女子たちとは、全く違う世界で暮らしているようなもんです。
しかもネガティブな人が割合多いのに対し、うち超ポジティブやし。
やのにこんなにも金原さんの書く物語に共感できるのは、なんでなんでしょう?
という謎に対する解答が、この本で少しわかった気がしました。

4ヶ月の赤ちゃん連れで長時間フライトを描いた「フリウリ」
赤ちゃんが泣いて私はこんなにだっこしたりしているのに、夫は全然協力してくれへんし、そのくせ文句言うてくるし、もうしんどい!みたいな愚痴をグチグチ書いたようなお話。
ってこう書くと、えらいおもしろくなさそうに見えますね。。
本当は誰しもが思っているけど、それを言っちゃうと世間一般的に冷たい目で見られるやろうし・・というようなことなど。
心の中の濁った部分を、ひたすらしつこく鮮明に書く。
きれいごとを書かない、全てをそのまんま書く。
やから毎回、読んだ後、ずしーんと重たく感じるんですね、納得ー。

でもきっと男の人が読むと、めんどくせーってなる気がします。
金原さんの小説って、女の人(それも毎回めっちゃ美人)が主人公ってのばっかりやし、まぁ女が主人公やから男性はだめって訳じゃないんですけど、うーん、文学としては読めても、小説としては楽しめないかも。

一度男性を主人公にお話書いてみて欲しいなぁ。
この「TRIP TRAP」、ネット情報に“著者新境地”みたいなこと書いてあったけど、そんなに新境地感はなかったけど。
金原さんが男性の物語書いたら、それこそ新境地やと思う!

今日の感想、「TRIP TRAP」についてじゃなくて、金原ひとみについてになってしもたなー。
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by sabazaki-jaco | 2010-03-07 00:49 | ほん