「喋々喃々」



「喋々喃々」

 小川糸著

 









あ、就活は一段落しました。
またこれまでのペースで読んでいきたいと思います。

東京の下町、谷中でアンティークのきもの屋をしながら、そこで暮らしている栞。
ご近所さんとおしゃべりしたり、お寺まで散歩したりしながら、マイペースで開店している。
ある日きものを探しにやってきた春一郎に、栞は恋心を抱くが・・

七草がゆを作るところから始まり、おせちの準備をして終わる、丸々一年間の物語。
春には春の、夏には夏の、着物の柄や素材とか、お花見やお月見といった行事ごとであったりとか、季節ごとに丁寧に暮らす様を見ることができて、物語+αの楽しみがありとても楽しめます。
例えばきものの柄。
季節を先取りした柄を取り入れるのがええらしく、梅が咲くころには桜の柄を取り入れるんだとか。
そういったきもの豆知識が散りばめられております。

ほんで谷中という町の魅力的なこと。
お寺が点在していて、昔なつかしの雰囲気のパン屋さんとかお惣菜屋さんとか、そんなんがいっぱいあるような町らしい。
本文の中で、東京にもこんなええとこがあるのなら東京好きかも、みたいな内容の台詞があったんですが、いやー、この本読んでるだけでもそう思えますよ。

きものと谷中のことばっかり書いちゃいましたが、このお話のメインはきっと、栞と春一郎の恋愛のお話。
とても清くて美しい恋に思われるんですが、読んでるとついついそう思っちゃうんですが、いや、よう考えたら不倫なんですよ。
美しく描かれても、栞がんばれーって素直に思えない。
これが普通の恋やったら、星5つにしたかもしれないけど・・って、すいません、内容にケチつけて。

「食堂かたつむり」のときもそうやったけど、小川糸さんはほんま描写が丁寧やし、なんか文章に安心感みたいなんがあるように思います。
きもののことも谷中のことも全然知らんかったけど、知ることができたし、読みやすいし。
ただ、主人公の栞の心理描写っていうんかなぁ、感情の変化についての描写はえらい淡白な気がすします。
栞の目線で描かれているはずやのに、栞が何考えてんのかいまいちわからへん。
まぁもともと落ち着いた性格なのかもしれへんのですけどね。
近所のマダムとか、おばあちゃんとか、脇役たちはほんまええ味出してるのにな、みんな。
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by sabazaki-jaco | 2010-03-02 03:09 | ほん