「ヘヴン」



「ヘヴン」

 川上未映子著

 









情熱大陸の川上未映子特集のときに、川上さんが悩んで悩んで書いてはったのが、これ。
ただの頭おかしい女子やと思ってたけど、あの情熱大陸見て、川上さんめっちゃ好きになりました。
アップルティーにミルク入れて、「これめっちゃまずくないですか?!」って言うてるとことか、すてき!

「乳と卵」以降初の単行本やったんですね。
なんか川上さん自体に存在感がありすぎて、もっと出してはると思ってました。

斜視の目のことで、クラスで苛められている僕の筆箱に、ある日手紙が入っていた。
「わたしたちは仲間です」
それは同じクラスのコジマという女子からで、彼女も僕と同じように苛められいた。
二人は密かに手紙を交換して仲良くなっていき、イジメがエスカレートしていく中、お互いを支え合うようになっていった。

川上未映子といえばわけわからん文体、ですが、今回は普通の文体です。
普通の文体書けるんやこの人!(失礼!)

ヘヴンとは、美術館にあるコジマお気に入りの絵のこと。
この絵を崇拝してるって言っても過言じゃないくらい、気に入っているらしいのです。
そんなとこにも見え隠れしているんですが、コジマはえらく意思が強い。
ただその強さは、かっこいいかって言われると何か違う感じがして、執着とか固執みたいなどろりとしたような印象を受けます。
川上さん本人の、独特の文体とか、体の部分への執着(「ヘヴン」では目、かな)から受けるような、強さ。

ラストはまさかの展開でした。
大どんでん返し的な意味じゃなくて、結局どうなったんかようわからんけど良かったのかも、みたいな、まさかの展開。
でも絶対的な安心感。
ていうか僕の義理のお母さんが、めっちゃ優しくて、これこそ安心感やわ。

そんな重要なシーンじゃないねんけど、めっちゃ好きなシーンがありまして・・。
病院で医者が僕に斜視の手術を勧め、費用は意外と安いんだよと話すシーン。
 「そうねえ。」と医者は言った。「一万五千円くらい。」
 「一万五千円。」と僕は言った。
なんかこのゆるい繰り返しが、学校での苛められているシーンの激しさと対比されて、んでなんか遊び心も感じられるしで、うまいなーって思う。
どうでもいいけど、斜視の手術って、めっちゃ言いにくい。

文体が普通やったから、それはちょっと意外やったし残念やったけど、中身というか構成というか、もうその辺はがっつり川上未映子やった。
あたりまえか。
読み終わったし、もう一回ユーチューブで情熱大陸見よかな。
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by sabazaki-jaco | 2010-01-27 21:08 | ほん