「誰かと暮らすということ」



「誰かと暮らすということ」

 伊藤たかみ著

 









2010年第一冊目は伊藤たかみから。
好きな作家さんやから、なんか嬉しい!

周りに気を遣いすぎる知加子と、顔のせいでいつも怒っていると思われてしまうセージ。
二人は同じ会社の同期で同じ町に住んでいることもあり、時々二人で食事をしたりするのだが、お互いにうまく気持ちを伝えることができないでいる。
この二人の物語を中心に、東京の下井草という小さな町で暮らす人たちの、小さな幸せがふわふわ漂う一冊です。

今のうちの気分にとても合ったお話でした。
穏やかでゆったりとした気分、例えると、予定のない休日に家でごろごろしている午前11時のような。
食事をするにもスープ飲んで落ち着いたり、明るい色の服を着てテンションが上がったりするのと同じように、本も読んで楽しむのはもちろんやけど、感情の上げ下げにがっちり直結してるんやわと、改めて気付かされたのでした。

さてこの本ですが、短編集になるんかなー、いちおう一つ一つで完結はしてるっぽいけど、実は続きがあってつながっていましたー!という感じ。
表紙の絵めっちゃ大自然やけど、舞台になっている下井草は多分都会やと思います。
大体、みんなマンションに住んでるしな。

店が経営不振やったり離婚したりとか、穏やかとは言えない境遇の人もおるわけなんですが、読み終わったらどれも、人の温かさに触れたような、穏やかな気分になれるものばかり。
ハートフル!
でもやっぱ、一番仰山登場する、知加子とセージの二人の、ちょっとづつ仲良くなってってんのかどうなんかー、ってのが特におもしろかったです。
二人とも、一癖も二癖もある性格ですからね。
知加子とセージだけで一冊にしてくれてもよかったのにってくらい、読み応え十分。

下井草はええ町なんやろな。
また是非大阪を描いてほしいです、たかみさん!
「ドライブイン蒲生」の荒っぽい大阪とか、めっちゃええ感じやったし。
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by sabazaki-jaco | 2010-01-10 03:03 | ほん