「f植物園の巣穴」



「f植物園の巣穴」

 梨木香歩著

 









タイトルからしてわかる通り、今回も植物満載です。
梨木さんはやっぱり名前に“梨”て入ってるから、植物が好きにならはったんかなぁ。

f植物園の園丁が、園内にある不思議な巣穴に落ちた。
そこは水の底の不思議な世界、現在と過去が入り交じった町があり、人間やけど動物やけど人間というようなよくわからない人たちがちらほら。
ふわふわと漂う子供のころの曖昧な記憶を探して、穴から抜け出すことはできるのか。

読み終わって、謎が一つ残っておりまして・・・
園丁はいつの間に巣穴に落ちたのか、それがわからんのです。
先に帯を読んでいたんで、巣穴に落ちるってことは知ってたんやけど、最初からなのか途中でなのか、いつの間にー。
気づいたら、既に変な世界におりましたもんで。

まぁ謎はともかく、その変な世界がおもしろいんです。
雰囲気は「家守綺譚」と同じ感じ、ありえへん生き物が普通に暮らしていたりとか。
前世が犬だったという歯科医の家内は焦ると犬に戻ってしまうし、大家が雌鳥頭になってたり、ナマズの神主が出てきたり。
何より、不思議世界でついてくるカエル小僧が、かわいらしくてしゃーないのですよ。
最初全然喋られへんのに、園丁について回ってるうちに言葉を覚えて喜んで喋る、その素直な感じがほんまかわいい。

そして忘れてはならん、植物。
主人公が植物園職員な分、「家守綺譚」よりこちらのほうがマニアック植物が多いかも。
と言っても、うち、「西の魔女が死んだ」と「家守綺譚」しか読んでへんので、比べる範囲がえらい狭いですがご勘弁を。
知らん草の名前ばっかり出てきます。
名前から想像しながら、でも想像だけでも綺麗な緑のきらきらした光景が浮かびます。
図鑑でも横に置きながら読んだら、勉強にもなってもっとええのかもしれへんですけど、さすがにそこまではようしませんが。

植物好きにはたまらん一冊です。
動物好きのうちにもたまりませんでした。
でも文章が難しいね。
時間かかったー。
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by sabazaki-jaco | 2009-10-19 22:16 | ほん